ゴールデン・レトリーバーってどんな犬? 飼いやすい? かかりやすい病気は?

ゴールデン・レトリーバーといえば日本ではポピュラーな大型犬の一種ではないかと思います。

アニコムが発表している2025年の人気犬種ランキングではトップ10には入っていないものの、大型犬に限定して見てみると、人気ナンバー1です。

飼ってみたいと思ったことがある方も多いのではないでしょうか?

私も子どもの頃、ゴールデンのいる生活にすごく憧れました。

あのフサフサの大きい体にもたれかかって寝てみたい!とか思ったものです。
あ、今でもそれは思います。

本日はゴールデン・レトリーバーについてお話していきます。

原産国、歴史

ゴールデン・レトリーバーの原産国はイギリスです。

元々は鳥猟犬として活躍していました。

ご存じの方も多いかもしれませんが、レトリーバーのretrieveは回収するという意味であり、水辺で撃ち落とした獲物を回収するために改良された犬種です。

現在では愛玩犬としての他、介助犬、盲導犬、聴導犬、警察犬、セラピードッグなど様々な分野で活躍する犬種となっています。

どのように作出されたかははっきりわかっていませんが、ウェービーコーテッド・レトリーバー、淡色のフラット・コーテッド・レトリバー、ツイード・ウォーター・スパニエル(現在は絶滅)、セッター、ブラッドハウンドなどが関わっていると推測されています。

イエロー・レトリーバーという名称で呼ばれていたこともありますが、後にゴールデン・レトリーバーという名称に統一されました。

体の特徴

体重

ゴールデン・レトリーバーの成犬の体重は27~36kg、だいたい30㎏前後です。

まぁそれが標準体重なのでしょうが、ふだんゴールデン・レトリーバーの体重を測定していると、みんなが標準体型ではないので、体が大きめの子や少し肥満気味の子もまぁまぁいたりで27~45㎏くらいという印象です。

これからゴールデンを飼おうと考えている方は30㎏前後を想像するよりはもうちょっと重くなる可能性を想定しておいた方がいいかもしれません。

特に男の子は40㎏近い子の方が多いような気がします。

超肥満になるとこれまで60㎏のオスを見たことがあります。太らせないように注意です。

被毛

毛の色は薄い茶色(クリーム)と濃いめの茶色(ゴールド)があります。

ダブルコートで寒さには強いですが、暑さにはあまり強くないので、夏は熱中症対策をしっかり行いましょう。

春と秋は換毛期であり、体が大きいのでそれなりに抜け毛の量は多いです。

家でシャンプーするのはかなり手間がかかるので、なるべく毎日ブラッシングをして被毛の状態を保ち、時々シャンプーするのがおすすめです。

体が大きいので、洗うこともそうですが乾かすのも大変です。中途半端に乾かして放置していると皮膚病の原因にもなりかねませんので、家でシャンプーが大変な場合はトリミングサロンを利用すると良いでしょう。

性格

攻撃性が低く、人懐っこい子が多い印象があります。

見知らぬ人にもユサユサと尻尾を振ってくれたり。

「ねぇ遊ぼうよー」とでも言うかのように片方の手を出してくれる(お手の動作をしてくれる)子もよくいます。

子犬の時はいたずらをしたり、やんちゃなこともありますが、大人になるとわりと穏やかで表情も優しく、見ているとこちらが癒されます。

攻撃的で人に咬みつくような子をほとんど見たことがありません。

ゴールデン・レトリーバーは人だけでなく、他の犬とも良好な関係を築けるタイプなので、多頭飼育にも向いています。

実際見ているとゴールデン・レトリーバーを飼育しているお家には他にも犬がいたり、一緒に猫を飼っている方も多いような気がします。

必ずしも全くケンカしないというわけではありませんので、多頭飼育をする際は相性がどうか一度犬同士を引き合わせて確認すると良いでしょう。

寿命

ゴールデン・レトリーバーの平均寿命は10〜13年くらいです。

7歳を過ぎたらシニアに入ります。

かかりやすい病気

腫瘍

悪性腫瘍ができやす犬種で、リンパ腫、肥満細胞腫、鼻腔内腫瘍、骨肉腫などなど…様々な腫瘍を患うことがあります。

皮膚炎、外耳炎

皮膚に痒みが出ることがあります。

原因はアレルギー、細菌感染、真菌感染など、1つではなく複数関係していることも多いです。

また皮膚が弱い子は特にですが外耳炎になっていることが珍しくないです。

さらに外耳炎で痒いため後ろ足で耳を掻いたり、頭を振ったりしているうちに、耳の血管を傷つけてしまい、耳血腫という病気に発展してしまうこともあります。そうなると耳が変形してしまうことがあるので、痒がっている時は動物病院で診てもらいましょう。

水遊びやシャンプーをすると耳に湿気が入り、その後外耳炎になったり、外耳炎が悪化してしまうことがありますので気をつけてください。耳に入った水分は拭き取る必要があります。

股関節形成不全

先天性疾患です。歩行時にお尻を左右に振りながら歩いている子(モンローウォークと言われます)、座る時に足を横に流して座っている子は要注意。

股関節の形が不整で痛みを感じている可能性があります。

過度な運動を控えるなど、股関節の負担に配慮した生活を考えたり、ひどい場合は外科手術を検討します。

胃拡張捻転

その名の通り胃が拡張し、捻じれてしまう病気です。

お腹が膨満し、吐きたそうにするのに吐けなかったり、よだれが多くなって苦しそうにします。

早く処置をしないと死んでしまいます。

一回の食事量が多い(食事が1日1回とか)、早食い、食後に激しい運動をするなどは発生のリスクを上げるため注意が必要です。

飼育する際に気をつけてほしいこと

運動させる

毎日屋外へ運動に連れて行くことが必要です。

狭い所にずっと居させたり、運動しないでいると後ろ足が弱ってしまいます。

インドア派の飼い主さんにはあまり向いていない犬種です。

ブラッシングをする

シャンプーまでは頻繁に行わなくてもいいと思いますが、ブラッシングをしっかりすることで被毛を清潔に保ち、皮膚炎を予防しましょう。

異物の誤食

特に若い子に多いのですが、何でも飲み込んでしまう子がいます。

靴下、ストッキング、ヘアゴム、焼き鳥の串、人の食べ物をパッケージごと…挙げると切りが無いのですが、人からしたら美味しくないものでもとにかく食べてしまうことがあります。

物によっては開腹手術が必要になることもありますし、下手したら死んでしまいます!

盗み食い、留守中のイタズラ、散歩中の拾い食いなど要注意です。

肥満

食いしん坊なのか、運動が足りないのか、太り気味の子が多いです。

肥満は様々な病気を呼びます。

本人の足腰にも負担がかかりますし、肥満のゴールデン・レトリーバーが病気になった時の介護をする人の負担もかなりのものです。

最後に

大型犬を飼ってみたいけど犬を飼うのは初心者という方にゴールデン・レトリーバーは比較的飼いやすいと思います。

また、一緒にアウトドアを楽しみたいという方にも向いています。

家にゴールデン・レトリーバーがいたらそれはそれは楽しいだろうと思います。

ただし、体が大きいので小型犬に比べてお金がかかります。フード代、予防薬代、トリミングサロン代、病気になったときの治療代などなど。

病気になって体が不自由になってしまったとき、寝返りをさせる等の介護は重労働です。女性一人だと持ち上げられないことがあります。

病気で歩けない時に動物病院に連れていくのも車が無いと大変です。時々大型犬が乗るカートに乗せて来院される方もいますが、それも道のりが坂だったりすると一苦労です。

寿命を全うさせるのに色々な面で面倒が見切れるのか、十分検討した上で飼い始めてくださいね。

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