動物病院小話 往診に行く時のあるある話 猫は必死に…  

動物病院

こんにちは。

春らしくなってきましたね。

今日は往診のお話をゆるっとしてみたいと思います。

時々車に乗って往診にお伺いします。

別に往診専門ではないので、普通の診察の合間を縫ってお伺いするのですが、多い時で1日4件くらい回ったこともあります。

私の勤務先では平均したら1日に1件くらいの感覚で往診の予約が入ります。

無い日は無いですが、多いと4件くらい重なる日も。

あまり遠くには行きませんが、車で片道1時間近くかかる所に行ったりしたこともあります。

往診の内容は様々です。

「ワクチンをうちに来てほしい」
「皮下点滴をしに来てほしい」
「体を痒がっているから診てほしい」
「下痢をしているから診てほしい」
「耳掃除してほしい」
「なんか元気がないからとりあえず診てほしい」
「足をひきずっている」
「血尿した」
「腫瘍が自壊したので消毒してほしい」
「寝たきりの子に注射をうちに来てほしい」

いろいろな件で呼ばれます。

検査などあまり高度なことはしません。

基本は一人で行って来いと言われます。

たまに往診先で採血をしてほしいと言われる時は助っ人を一人連れて行きますが、検査は病院に検体を持ち帰って行います。

ちなみに私は社会人になるまで車の免許を持っていませんでした。

就職が決まり、往診がある病院だったので、大学を卒業する3月頃から教習所に通い始め、あとは働きながら休日に教習所に通って免許を取りました。

最初は特に車の運転が怖かったです。

往診となると知らない場所に行くことが多いので、毎回初めての場所は今でもドキドキしながら運転してます(^^;)

もう免許を取って長くなりますが、車の運転は今でも怖いです。

まっすぐ走っていたらいつの間にか右折レーンに並んでしまう道とか・・・

一方通行が多すぎる場所とか・・・

往診先の近くに駐車場が空いてないとか・・・

曲がりたい場所を通り過ぎてしまってなかなか戻れなくなってしまったり・・・

道が狭すぎてちゃんとUターンできるのかな?と不安になったり・・・

高速道路を走ったこともありますが、高速は怖いので基本的に使わないルートを探して行ったりします。

往診先で「ここに車を止めてください」と言われた場所がめっちゃ狭いこともあります。

縦列駐車スキルが高くないと止めるのが難しかったり。

止めてくださいと言われた場所が道路から少し段差のある場所で、アクセル踏んで勢いをつけないと段差を上がれない場所にもかかわらず、すぐ後ろに高級車が止まっていて、勢いをつけすぎると高級車に突っ込んでしまいそうな所にドキドキしながら車を止めるとか・・・笑

本当にいろいろあります。

色々あるので毎回往診はドキドキします。

そして往診先でのこと。

特に猫の往診でよくあることなのですが。

猫は獣医が家に行くと逃げます!!

必死になって逃げる子は珍しくないです。

弱っている子やものすごくおっとりして誰が来ても動じないような子は別ですが、往診に行ったけど、猫が隠れて出てこなくて何もせずに帰るなんてことも。

「すみません、洗濯機の裏に逃げ込んでしまって手が届かないので出てくるのを待つしかないので一度お帰りください。本当にすみません・・・」みたいな。

猫の往診の予約を受けた時には「猫は逃げるのでお伺いする前に捕まえておいてください」と伝えるのですが、それでもダメな時があります。

例えば一つの部屋に閉じ込めてくれていることがありますが、特に元気な猫は必死に部屋の中を逃げ回り、捕まえようとすると飼い主さんが怪我をすることがあります。

部屋の中を跳び回り、物が散乱してしまうことも。

キャリーに入れて捕まえてくれているパターンもあります。

一見大丈夫なように思われるかもしれませんが、キャリーを開けるとスルリと人の手をかわして逃げます。

「うちの子はおとなしいので大丈夫だと思います」

と言われることもありますが、普段の家での猫の様子と、獣医が家に来た時ではがらっと変わります。

猫的にはおそらく「やばい!獣医来た!やばいやばいやばいやばい」と言う感じで姿勢を低くして一瞬でビューンと走り去って行きます。

捕まえようとしてもまるで液体の如く、スルリと逃げて行きます。

なんとか捕まえたけど暴れて何も出来ないことも。

「こんなうちの子は見たことない・・・」と驚かれることもあります。

そう、猫たちはマジで必死になります。

普段家では見られない姿が現れます。

時々獣医が猫を捕まえて診てくれると思われている方がいますが、飼い主さんにも捕まえられない猫を往診先で私たちが捕まえるというのは至難の業です。

知らない人に追いかけられる猫もストレスですし、時間も無駄です。

動ける猫の往診の時は獣医師が家に到着する前に猫を洗濯ネットに入れておいてもらえるとすごく助かります。

ネットに入っていれば、そのまま聴診もできるし注射もうてます。

もしこれから猫の往診をお考えの方は、洗濯ネットをぜひおすすめしたいです。

もちろん大丈夫そうなら診察中にネットから出せばいいです。

最初に逃げられてしまうと目的が果たせないまま往診代だけかかってしまい、勿体無いです。

「うちの子は大丈夫だと思います」は危険です。

念の為を考えていただけると助かります。

私の感覚としては「大丈夫だと思う」と言われるうちの半分以上は大丈夫ではないです。

往診の目的がワクチンなど、猫が元気な場合やまだ若い子は特に注意が必要です。

元野良猫だった子も警戒心が強い子が多いです。知らない人が家に入ってくるとパニックになって逃げて行きます。

ちなみに警戒心が強い子は動物病院に連れて行った時も危険です。

私も初めての猫を診察する時は、キャリーを開ける前に性格を聞いたりします。

「逃げないと思うけど・・・」と言われるうちの何割かは診察台を飛び降りて逃げてしまいます。

捕まえようと手を伸ばすと余計にパニックになり、診察室の中を跳び回る子が時々います。

洗濯ネットおすすめです。

ちなみにネットに入れたまま注射をうつようなことになった場合、ネットの目は粗い方が使いやすいです。

猫用のネットでなくてもごく普通の洗濯ネットで大丈夫です。

小さいネットだと窮屈ですし、入れづらいので、ある程度余裕のある大きさのネットが良いでしょう。

おまけ話

何度か往診にお伺いしていると、早々に勘付く猫がいます。

往診に伺う前に「これから出発します」と飼い主さんに一報入れてから伺うのですが、電話が鳴ると猫が逃げていくらしいです。

動物病院からの電話ではない時は逃げないのに、動物病院からの電話の時は逃げる。

さっきまでそこで寝てたのに・・・みたいなことがあるみたいです。

珍しいことではなく、複数の飼い主さんからよく言われます。

おそらく電話が鳴った時の飼い主さんのちょっとした空気を察知しているのでしょうね。

例えば猫の方をちらっと見るとか。

ちょっとしたことで猫も気づくみたいです。

玄関のチャイムも同様で、宅配便の時は逃げないのに、獣医師がチャイムを鳴らすと逃げていくそうです。

なので玄関のチャイムを鳴らさないでくださいと言われることもよくあります。

往診先によって色々とルールがあったりするので、別の獣医師に往診に行ってもらう時や、代わりに自分が普段行かない家に往診に行く時なんかはスタッフ同士注意点を伝え合ったりしています。

チャイムは鳴らさない、無言で静かに家に入り部屋で待機する、白衣は着て行かないとか。

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