犬猫への内服薬の投薬方法みんなどうしてる?

その他

こんにちは。

本日のテーマは内服薬の投薬方法についてです。

簡単にお薬を飲んでくれる子は苦労しませんが、「うちの子は全然薬を飲んでくれなくて大変なんです!」とおっしゃる飼い主さんは結構多いです。

中には投薬が難しいという理由で治療を諦めてしまう方もいます。

確かに我々獣医師からしても投薬が難しい子はいます。

吐き出すのが上手だったり、絶妙なタイミングで頭を振って口に薬を入れさせない子、初めから咬み付きにきてしまって触れない子などなど。

ですが中には投薬方法を工夫すれば簡単に薬が飲める場合もあります。

薬が飲めれば病状が良くなるのに飲めずに体調が悪化していくというのは悔しいものです。

これは獣医師だけでなく、飼い主さんにとっても同じだと思います。

投薬ができず、動物の調子が悪くなっていくことに飼い主さんがストレスを感じて辛い思いをしていることもあります。

1人でも多く、薬の投薬に苦労している方のお役に立てればいいなと思い今回の記事を書いてみます。

薬の剤形

まずは投薬方法の前に、薬の剤形についてです。

「錠剤がやりやすい」
「錠剤は無理だけど、粉薬ならできる」
「液剤なら投薬できる」
などなど、人によって、もしくは犬猫によって飲ませやすい/飲みやすい薬の剤形は異なります。

錠剤で薬を出されたけど投薬が難しいと言う方に、粉や液体でも処方できますよと言うと投薬ができるようになる場合があります。

剤形にはおおまかに錠剤、粉薬、液剤、カプセルなどがあります。

まずはどんな形の薬ならできそうか考えてみて、その剤形で処方可能か獣医師に聞いてみてください。

薬の種類によっては残念ながら剤形が変えられないものもあります。

投薬方法

剤形によってどんな投薬方法があるか思いつく限り紹介していきます。

錠剤・カプセルの場合

①口を開けて喉の奥に入れる

このやり方が無理だから今このページを見ている方がほとんどだと思います。

確かに難易度が高いかもしれませんが、慣れるとこれが一番やりやすいですと言う方もいます。

最初は上手くできなくても、やってるうちに上達していきます。

練習してみるというのも一つの手だと思います。

やり方のコツは動物病院で獣医師や看護師さんから一度実際に見せてもらうのがいいかもしれません。

まぁ、難しい子は難しいです。

獣医師でも無理な時もあります(笑)

1人では無理でも2人ならできることも。

ちなみに飼い主さんは上達していきますが、投薬される側の動物たちも黙ってはいません。
残念なことに薬の吐き出し方を上達させていったりします…。
飲んだかなと思ったら数秒後に吐き出したり、上手く口の奥に隠してこっそり吐き出すとか…。
他の方法にも言えることなのですが、最初はこの方法でできていても、だんだんできなくなってくることがあります。

②フードに隠す

これも誰もが思いつく方法ですね。

好きなフードやおやつに隠して食べさせるという単純なやり方です。

美味しいペットフードに隠して与える場合はあまり問題ないかもしれませんが、人の食べ物に隠して与える場合は食べ物の種類に注意です。

例えば、ふだんお話を聞いていると、犬の場合はチーズを使用している方が結構多いです。

チーズは脂肪分や塩分などが気になります。

たまにならまだしも、毎日投薬し続けなければいけない場合はその食べ物によって他の病気を引き起こしてしまう可能性があるので気をつけてください。

他にも、食パン、ハムなども注意です。

③投薬補助トリーツを使う

犬猫用に様々な投薬補助トリーツが販売されています。

それらを利用している方もいらっしゃいます。

以下のようなやつです↓

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投薬用ちゅーるは通常のちゅーるに比べて粘度が高いので、薬が混ぜやすいです。

錠剤やカプセルの場合はこういう個体に包む方がやりやすいかもしれません。

アレルギー持ちの子でも使いやすいかもしれません↓

④投薬器を使う

指を口の奥に入れるのは咬まれる可能性もあり、怖いという方もいると思います。

咬まれなくても歯が当たっただけで結構痛かったりします。

その場合は先端にお薬をセットして喉の奥に落とし込む投薬器を使用するという方法もあります。

先端はゴムになっていたりするので、口に突っ込んでも口の中を傷つけることはありません。

投薬器にも種類がありますが、私は結構使いやすいと感じます。

咬もうとする子にも楽に投薬ができます。

ただし、投薬器にも咬みついて使用しているとボロボロになることもあります。

例えばこういうの↓

使い方をお近くの動物病院で見せてもらうといいかもしれません。

私はいつも首の後ろの皮をつかんで顔を少し上向きに固定し、口の横の歯の隙間から投薬器の先端を喉の奥に挿入し、喉の奥に薬を落とします。
すぐに飲み込まない可能性もあるので、薬を喉の奥に落とした後はすぐに頭をフリーにするのではなく、上を向かせて口を閉じさせたまま喉をさするとごくっと飲み込んでくれたりします。
水を入れたスポイトか何かを用意しておき、投薬の姿勢のまま少量の水を口の脇から入れてあげるとさらに飲み込んでくれます。

粉薬の場合

①フードに混ぜる

好きなウェットフードなどに混ぜて食べさせるのが粉薬の一番簡単なやり方でしょう。

それができていればこのページを見ていませんよね。

粉薬をご飯に混ぜると匂いが変わってしまい、警戒してご飯を食べなくなってしまうということも珍しくありません。

混ぜると全く食べず、その後も警戒してしまい、薬を混ぜてないのにご飯を食べなくなってしまったという最悪のパターンもあります。

またはシリンジを使用して粉薬を入れたフードを直接口に入れてしまうという手も。

この場合は普通のシリンジではなく、フィード用の先端の穴が広くなっているシリンジがおすすめです。

普通のシリンジを使うとすぐに詰まってしまいます。

②投薬補助トリーツを使う

先ほど述べたように、粉薬の場合はちゅーるのような物に練って与えるのも一つの手です。

粉薬なら粘度が高い投薬用ちゅーるでなくても普通のちゅーるでいいかもしれません。

ちゅーる以外にも色々販売されています。好みのものを探してみてもいいかもしれません。

スタミノールも結構好きな子が多い印象があります。

食欲がない時でもこれなら食べてくれますとおっしゃる飼い主さんも。

こういった物と粉薬を練り、口の中の上顎部分に塗りつけてあげるとそのまま舐めてくれたりします。

口の中まで指を入れるのが怖い場合は、口の外に(鼻先あたり)塗りつけてもいいかもしれません。

たいていの子は口の周りに物が付くとペロリと舐めとってくれます。

猫の場合は毛づくろいを利用し、手先に塗りつけてみるのも有りです。
体をきれいにしようとして舐めとってくれたりします。
ただし、毛づくろいする元気が無い時はそのまま放置されてしまうこともあるので、体がベタベタに汚れてしまうことも…。

猫は油が好きな子が多いので、例えばバターに練って塗りつけると舐める子も多いです。

液剤の場合

元々液体の薬品やサプリメントもありますが、動物病院で液体に調剤する場合もあります。

動物病院で調剤する場合、甘めに作ってもらうことが病院によってはできるかもしれません。

猫はあまり甘い味は好まないことが多いですが、犬の場合は甘いお薬が大好きな子もいます。

液体で調剤した場合、投薬を嫌がるどころかお薬が大好きですという犬もいるくらいです。

あとはやはり以下の様な方法になってくるかと思います。
①シリンジを使って直接口に入れる
②フードにまぜる
③投薬補助トリーツに混ぜる

薬の加工ツール

おまけに、家で薬を加工する際に便利なグッズの紹介です。

ピルカッター

錠剤を家で割って飲ませる時に「割るのが難しいです」と言われることがあります。

動物病院で割ってもらうのもいいと思いますし、家で割るなら以下の様な道具が売られているので使用してみるのもいいかもしれません。

ハサミタイプもあります。

普通のハサミを使用するよりも錠剤が割りやすいです。

ただし、ハサミによっては薄すぎる錠剤はカットできないものもありますので注意です。

小さめのハサミであればたいてい大丈夫だと思いますが。

カプセル

錠剤が苦くて口の中に入れた瞬間にヨダレが出てきたり、泡をブクブク吐き出してしまう場合、カプセルに入れて味がしないようにカバーしてしまうのもおすすめです。

また、小さい錠剤が複数あり、一度なら飲んでくれるのに何回も口に入れるのは途中で嫌がり始めてしまう場合、カプセルにまとめて入れてしまう手があります。

カプセルには大きさの種類があるので、薬のサイズ・量によって合う物を探してください。


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