・頻繁に耳を掻いている、頭を振る
・耳の中が汚れで真っ黒
・耳を拭いてキレイにしてもすぐにまた真っ黒になる
以上のような症状が当てはまる場合、原因はもしかしたらミミダニの感染かもしれません。
特にペットショップやブリーダーから引き取ったばかりの子猫、子犬に比較的多く見られます。
犬と猫ではどちらかといえば私は猫のミミダニ感染に遭遇することのほうが多いです。
今回はミミダニ感染症についてお伝えします。
原因
原因はミミヒゼンダニという小さなダニが耳に寄生することによります。
接触感染するので、多頭飼育している場合は感染が広がることがあります。
ペットショップやブリーダーのところから来た子犬、子猫にこの病気が比較的多くみられるのは、やはり多頭飼育でミミダニが蔓延しやすいのだと思います。
ミミダニは肉眼ではほとんど見えません。
ここにいる!というのがわかった状態で肉眼で見るとなんとなく小さな点が動いてるのが見えるかもしれませんが、よーーく見ないとわかりません。
こちらの写真は光学顕微鏡で400倍の倍率で撮影したものです。
症状
冒頭で述べたように、頻繁に耳を痒がって掻く、頭を振る、耳の中が真っ黒というのがよく見られる症状です。
外耳炎になっていることも多いです。
他の外耳炎の要因と比べてミミダニが原因の場合は耳の汚れが強いような感じがします。
拭いてもまたすぐに真っ黒の汚れが湧き出てきます。
動物病院を受診する場合はすでに症状が出ている子がほとんどなので、頻繁に痒がるという印象がありますが、感染が軽度なはじめのうちは無症状なこともあるようです。
診断
耳の汚れを顕微鏡で観察してミミダニを探したり、耳鏡で耳の中をのぞきます。
一回の検査で見つからないこともあります。
耳道洗浄してもすぐに耳の中が真っ黒になる、痒みが消えないという場合、ミミダニの可能性を考えて何度か検査を行います。
2回目の検査でミミダニが見つかるということもよくあります。
ミミダニの卵が見られることもあります。
中央の楕円形の茶色い物体が卵です。
治療
耳道の洗浄とミミダニ駆除薬の投与を行います。
レボリューション、レボリューションプラス、ネクスガードキャットコンボなど、頸背部に垂らす薬を私はよく使います。
一度の投薬では完全に駆除できないこともあるので、様子により2,3回投与します。
犬から猫へ、猫から犬へ、動物種を超えて感染することがあるので、犬も猫も飼っている場合は一度発生したら皆に駆除薬を投与したほうがいいかもしれません。
ちなみにフェレットやキツネなどの野生動物も感染します。
検査でミミダニが見つけられなくても、症状からミミダニの感染が疑われる場合は早めに駆除薬を投与することもあります。
予防
感染動物と接触しないようにする、予防薬を投与するなどが予防法として挙げられます。
ミミダニと接触しなければ感染しないので、他の動物と接触がなければほとんど発生しないように思います。
ノミは完全室内飼育でも寄生してしまうことがありますが、ミミダニはノミほど発生は多くない印象です。
新しく子犬、子猫を迎える場合は家に持ち込んで先住の動物に感染することがあるので、そういったタイミングは要注意です。
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