チワワってどんな犬?

毎日たくさんのチワワが動物病院を訪れます。
チワワを見ない日は無い!と言っても過言ではありません。

チワワを飼っている方はとても多いですね。

アニコム損害保険株式会社が発表している2023年の人気犬種ランキングでは3位にランクインしている人気犬種です。
ちなみにこのランキングでは2位がMIX犬であり、マルプー、チワックス、ダップーなどやや様々なパターンがあるので、純血種に絞るとチワワが2位ということになります。

過去のランキングを見ていてもチワワは何年も人気犬種の上位に居座っていますね。

世界最小サイズの犬として有名であり、チワワといえば「小さい」というイメージを持っている人が多いと思います。

小柄なため、家が大きくなくても飼いやすいですし、一つの家庭で複数のチワワが飼われていることも多いように思います。

本日は人気犬種チワワの魅力に迫ってみたいと思います。

チワワの歴史

チワワの原産国はメキシコです。

メキシコの先住民が飼育していた犬が祖先であると言われています。

名前はメキシコのチワワ州で発見されたことに由来しています。

チワワ州からアメリカに輸入され、アメリカで人気が出たと言われています。

チワワの性格は?

チワワによって性格は様々ですが、ふだんからたくさんのチワワと接してみて感じるのは、体が小さい割に気が強い子が多いということ。

体重が10倍以上はある大型犬にも吠えて向かって行ったりしますし、我々獣医師にもしょっちゅう咬みついてきます。
それも突然咬んできます。
威嚇されることもしょっちゅうです…。
飼い主さんに対してはそんなに咬みついたりしないと思いますが、敵だとみなすと結構強気で来ます。いい意味で言えば勇敢な犬種です。

小型犬ですが咬まれると普通に痛いし出血します。

もちろんそんな気が強い子ばかりでもなく、とても大人しい子もいますし、フレンドリーな子もたくさんいます。

うるさく吠える子もいれば、あまり吠えない静かな子もいます。

チワワの体の特徴

体重は小さめの子だと1kg台のこともありますが、2~3kg台の子が多い印象です。

ですが体格がしっかりしたチワワも結構多く見かけます。
5kgとかかな?

その体格が大きめのチワワが肥満になると、体重10㎏を超えることも…。
過去に10kg超えのチワワを見たことがありますし、そこまでいかなくても7~8kgのチワワなら結構見かけます。

肥満には注意です!

小さい犬だと侮っていたら大変なことになります。下手すると小さめの柴犬よりも体重が重いなんてことも…。

被毛は短いスムースコートと長いロングコートがいます。

どっちも可愛いですね。

スムースチワワもロングコートチワワもどちらかというと寒さには弱いタイプの犬です。

冬はしっかり着込んで来院される子も。
2枚くらい服を着ていたり、ダウンを着せてもらっている子も。

こたつから出てきませんという猫みたいなチワワの話も聞いたことがあります。

毛色のパターンはとても幅広いです。

ホワイト、レッド、クリーム、ブラックタン、チョコレートタン、ブルー、ブラック&ホワイトなどなど。

ふだん診察していて、こんな色もあるんだ~!と思わされることもあります。

眼は比較的大きく突出しています。傷つけやすいので注意です。

ウルウルさせてとても愛らしいことがあり、そういえばテレビCMでチワワの泣きそうな顔が使用されていることがあったような。

耳は大きめの立ち耳をしています。

お世話は大変?

まず運動量についてですが、室内で運動するくらいでも運動量としては足りてしまうくらいだと思います。

中には外へ散歩に行かないという飼い主さんも時々いらっしゃいます。

ですが、外で色々な刺激を受けて慣れさせておくことも大事です。気分転換にもなります。

短めでも大丈夫なので外へ散歩に出ることはおすすめです。

小型犬なので、自家用車が無くてもキャリーバッグに入れて一緒に電車やバスに乗ってい移動しやすいです。

ちょっと家から遠い公園などへ一緒に出かけてみるのもいいかもしれませんね。


被毛の手入れについても比較的楽な犬種だと思います。

体も小さいので、家でシャンプーもしやすいかもしれません。

スムースコートの子であればカットは不要ですし、シャンプー後に乾くのも早いです。

ロングコートの子は、できれば毎日ブラッシングしてあげるといいと思います。


体が小さいので食事量はわりと少なくて済みます。

フィラリア薬や何か病気になった時に飲まなければいけない薬の投薬量も、体重が少ないので比較的少なくて済みます。

量が少なくて済むということは、それだけ金銭面も軽く済むということです。

大型犬だと薬の量が多いのでそれだけ金額も高くなります。

病気によっては薬の値段が高いものもありますが、チワワサイズであれば、金銭面はだいぶ助かると思います。
比較的という話なので、チワワでもお金がかかるときはかかります。

チワワに多い疾患

・骨折

体が小さく、骨もとても華奢ですので、やはり骨折は多いです。

抱っこしていて落としてしまったり、椅子から落ちてしまったり、ちょっとの高さでも骨が折れてしまうことがあります。

過去に骨折したことがある子が数年経って別の足を骨折してしまったという例もみたことがあります。

「この子また骨折しちゃったの?」という会話をしたチワワが思い浮かぶくらいです。

落とさないように、落ちないように、細心の注意が必要です!!

・てんかん

てんかん発作を持っている犬は結構多くいます。

様々な犬種でてんかんの子はいますが、チワワでも時々見かけます。

・水頭症

水頭症とは、脳脊髄液が脳の内部に過剰に貯留してしまい、脳を圧迫する病気です。

そこまで頻繁に遭遇するわけではありませんが、水頭症はチワワに多い病気だとされています。

・僧帽弁閉鎖不全症

よく遭遇する代表的な心臓病の一つです。高齢になるとチワワもこの病気になることが多いです。

健康診断やワクチン接種の際の身体検査で見つけることもよくありますし、咳を主訴に来院した子がこの病気が原因だったということも多いです。

・気管虚脱

気管が扁平に潰れてしまい、呼吸困難になる病気です。

小型犬に多く発生し、チワワでも時々見かけます。

ガーガーというガチョウの様な特徴的な咳をします。

・膝蓋骨脱臼

先天的に膝のお皿の骨が脱臼しやすいチワワをよく見かけます。

あまり症状が出ないこともあり、気づいていない飼い主さんも結構います。

後肢を挙上する、びっこを引くなどの症状が出て発覚することがよくあります。


病気は多いと言えば多いのかもしれませんが、チワワを飼っている方が多いので、データが多いだけというのもあるのかもしれません。

ふだん見ていると、わりと長生きしやすい犬種だと感じます。

体が小さい割に、体が強い子が多いです。

感じとしては平均寿命13~14歳くらいでしょうか。
15歳を超えることは珍しくないですし、18歳くらいまで生きる子もいます。

最後に

見た目が可愛い上に、
・体が小さいため家が広くなくても、マンションでも飼いやすい
・運動量はそんなに多くないので散歩の手間があまりかからない
・体が小さいのでキャリーに入れて一緒にお出かけしやすい
・大型犬や中型犬に比べると食事代、薬代などにかかるお金が少ない
・被毛の手入れも自宅でしやすい
総合的に見て比較的飼いやすい犬種だと思います。
なので初心者の方にもおすすめできます。
そういったところがチワワが長年人気である理由なのかもしれませんね。

何かデメリットは?と言われると、
・性格が元気で明るい子がわりと多いので、それを悪く言うと無駄吠えが多いかもしれません。
 近所迷惑に注意です。とはいっても、これは全ての犬種で言えることです。 
 とても大人しいチワワもいるので、性格は飼ってみないとわからないかもしれません。

・様々な病気になる可能性
 これも全ての犬種に言えることです。
 チワワが特別病気が多い訳ではありません。
 
ですが犬を飼う時は、吠えてうるさくても大丈夫か? 病気になった時に面倒が見れるか? などをしっかりと考えて飼う必要があります。
 

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