獣医師という職業②

獣医師の仕事

前回に引き続き、獣医師という職業についてお話していきます。
今回は動物病院で働く獣医師の話がメインになります。

獣医師の給料

まずは大事な給料についてです。

働く分野や場所によって差があると思いますが、一般的な動物病院で雇われて働いている獣医師の給料は大して高くはないです。

人の医師と比べると雲泥の差ではないかと思います。

動物病院で働くことを考えているなら、給料面は期待しない方がいいです。

ですが、自分で動物病院を開き、繁盛すれば、それなりの収入が発生すると思います。

雇われている側だといつまでたっても給料は安いままかもしれません。

これは動物病院によって差があるので、様々ということにしておきます。

私は他の分野のことは詳しくないのですが、やはり安定は公務員だと思います。

他には競走馬の獣医師(JRA)も年収が高めと聞きます。

動物病院の獣医師の休暇

私の場合は週休2日貰えていますが、個人の動物病院の場合は週休1日や1.5日の場合も珍しくないです。

夜勤は病院によって、有ったり無かったり。

他の職業に比べて勤務時間は長い方かなと思います。

友人の話を聞くと、毎晩22時を過ぎるという人や朝から日付が変わるまで働いているという人も…。

私はまだマシな方かな・・・。

それでも毎日休憩時間を除いて10時間以上は働いています。

動物病院にもよりますが、カレンダー通りに休むことは難しい可能性が高いです。

離職率は高い?

世の中ヘトヘトになりながら働いている人なんて大勢いると思うので、獣医が特別ハードな仕事かというとそうでもないのかもしれません。

ですが、体調不良により退職したという話はたくさん聞きます。結構多いです。

動物病院は基本的に立ち仕事です。
それから、大型犬を相手にしたりで、腰を痛める人も多い気がします。

動物病院で働く獣医師の離職率は結構高いと思います。

私の大学の同期でも卒業後に動物病院に就職した人は多かったのですが、その後転職したという話をいっぱい聞きます。

数年で退職し、他の動物病院へ転職する人、自分で動物病院を開院する人、企業や公務員へ転職する人など様々です。

小動物臨床は厳しい世界なのかも…。

女性獣医師は結婚のタイミングで公務員へ転職する人も結構います。

動物病院での仕事と家庭を両立するのは大変なんだと思います。

旦那さんが同じく動物病院の獣医師なら、将来一緒に動物病院を開くパターンも多いです。

あとは時短で働くパターンも多いと思います。

私の職場でも、子供がいる獣医師は時短で働いています。

働き方を工夫できれば、長く続けられるかもしれません。

人を相手とする仕事

動物病院で働く場合、動物を相手にする仕事であると同時に、飼い主さんを相手にする仕事でもあります。

人と話をするのは結構神経を使うような気がします。

人と全く話をしない日と、たくさんの人と会話する日とでは疲れ具合が全然違います。

無意識に結構神経を使っているんだなと思うことがあります。

人と会話するのが苦手な方にはあまり向かない職業かもしれません。

3K?

獣医師の仕事はよく「3K」と表現されます。

これは、危険、汚い、きついの頭文字を取ったものです。

本当か?と聞かれたら本当です。

でも私的には3Kどころではないと思っています。

追加させてもらいますと、給料低い、休暇が少ない、怪我する、くさい…。

これだけでも合計7Kになりました。

職場にもよるでしょう。

・危険
 人獣共通感染症、咬まれる、引っ掻かれる、蹴られる、針刺し事故

・汚い
 う〇ちと友達になる覚悟が必要(笑)
 犬を抱っこしたらポケットに排泄されるなんてことも…。まじで悲劇です。
 おしっこ浴びることもよくあります。
 肛門に指を突っ込んで診察したり…。
 顔に肛門腺浴びたり…。
 例を挙げると切りがありません。

・きつい
  朝から晩まで動きっぱなしの日もあります。昼ごはんが夕方5時になる日も。

  ミスすると最悪動物が死ぬ可能性もあり、責任が重い。

・給料低い
  仕事のハードさと金額が釣り合っていないような…。

・休暇が少ない
  私の場合は祝日関係なく仕事です。
  カレンダー通りの仕事をしている人と比べると一年間で休みの日数にだいぶ差があります。

・怪我する
  気をつけていても、咬まれたり、引っ掻かれたり、蹴られたりします。
  柴犬に咬まれたときは皮膚の感覚が無くなって1か月くらい元に戻りませんでした。
  サモエドに咬まれた時も年単位で傷跡が消えなかったです。     

・くさい
  排泄物、吐物、腫瘍の壊死による悪臭、口臭、肛門腺などなど毎日何かしらくさい物に遭遇します。

     

人間の医者とは大きく違う点

日本の人間の医療現場では患者の命をとにかく救うことを考えると思いますが、獣医療では時に安楽死という選択肢が存在します。

動物を助けたくて獣医師を目指す人が多いと思いますが、このように命を奪うこともあります。

辛い選択肢です。

けれど精神的にもっと辛い思いをするのは処置を行う獣医師よりも、飼い犬・猫が安楽死を選択するような状態になり、それを決意する飼い主さんの方なのかなと思います。

良い点

小動物臨床獣医師の職業について悪いことしか書いてませんので、最後に良い点も挙げておきます。

やりがいはある仕事です。

動物が元気になった時や、飼い主さんから感謝された時に全て報われます。

自分で病気を診断し、その診断に基づいて治療した結果、病気が治り、先生のお陰で元気になりました!と言われた時が一番嬉しいです。

ですが治る病気ばかりではありません。

治せない病気もありますし、大きな病気が無くても寿命でいつかは亡くなってしまいます。

亡くなっていくのはとても悲しいですが、亡くなったあとに飼い主さんから「先生に診てもらえて良かったです」と言って貰えた時も嬉しいです。

好きじゃないとできない仕事だけど、好きというだけでもできない仕事。

人にお勧めしたい職業かと聞かれたら、うー--ん…積極的におすすめはしないかな…。

大変です。責任も重いです。

でも動物が元気になった姿や飼い主さんが喜ぶ姿を見ると、頑張ってきてよかったと思えます。

全てが報われます。

目指す人がいたら、諦めずに頑張ってください。
一緒に頑張りましょう。

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