年末年始に気をつけたい! 犬猫のトラブル

病気

もうすぐクリスマスがやって来ますね。

クリスマスのあとはすぐにお正月。

この時期は楽しいイベントが続きます。

友達や親戚が集まったり、みんなで豪華な食事をしたり、楽しいひと時を過ごす方も多いと思います。

しかし残念なことに、このようなイベントがある時は犬猫にまつわるトラブルもよく発生します。

皆様にはトラブル無く楽しい年末年始を過ごしていただきたいですし、動物病院で働く獣医師としても動物病院に来る体調の悪い動物が1頭でも少なく、穏やかな年末年始を過ごしたいです。

今回はイベント時によくあるトラブルについてお話します。

誤食

「クリスマスで用意した骨付きチキンを丸ごと盗み食いした」

「クリスマスケーキに付いていたヒイラギの飾りを誤食した」

クリスマスパーティーの最中にわんちゃんが誤食してしまったと動物病院に来院されることがあります。

せっかくの楽しいパーティーが最悪な事態に一転してしまいます。

異物が肛門から便と共に出てくるのを待ったり、吐かせる処置で解決できる場合もありますが、緊急で胃・腸切開の手術になることも。

もちろん手術になると入院が必要です。

治療費もかなりかかります。

年末年始はただでさえ何かとお金がかかるところに、動物の治療費が加わるとかなり痛手です。

「子供が食べていたものを床に落としてしまって…」

「ちょっと目を離したすきに机に登って食べてしまって…」

「一瞬のすきにやられちゃって…」

発生時の状況は様々だと思いますが、中には注意していれば防止できたことも多いと思います。

わんちゃんもご馳走を取られまいと必死です。

見つかると取り上げられてしまうことがわかっているので、急いで飲み込みます。

体重5kgくらいの小型犬が10㎝くらいの骨付きチキンを丸のみしたことがありました。

よくこんなに大きいものを飲み込めたな…と驚きました。

丸飲みは無理でしょ! と思うサイズでも犬は丸飲みします。

焼き鳥を竹串ごと丸飲みする子もいます。

余談ですが、有名な忠犬ハチ公も亡くなった時に胃に竹串が入っていたという話です。

誤食は食べ物以外でも起こります。

例えば靴下、不織布マスク、ストッキングなどもよくあります。

なぜこれを食べようと思った? と思ってしまうような驚くものを犬は誤食します。

下痢・嘔吐

下痢や嘔吐は1年を通して来院する子が多い主訴でもあります。

この時期は人が集まったり、豪華な食事をしたり、旅行や帰省などで移動するなどいつもと違う環境になることが多いので、イベント後の消化器症状で来院する子が結構います。

原因に心当たりがありますか? とお聞きすると、

「昨日パーティーをして人間の食べ物を少し与えた」

「クリスマスだったので特別に犬用のケーキを与えた」

「来客があってストレスになったかもしれない」

「実家に連れて行ったので車移動が長くて疲れてしまったかも」

「旅行の間ペットホテルに預けていたが、帰ってきてから下痢をしている」などなど。

平気な子は平気かもしれませんが、ストレスに弱い子や胃腸が弱い子は注意が必要です。

ほとんどの子は一時的な胃腸炎程度で済み、治療すれば1~2日で回復してくれますが、中には重症化し、検査してみると膵炎を発症してしまっているというパターンもあります。

膵炎は激しい痛みを伴い、重度になると死亡してしまうこともある怖い病気です。

膵炎でも症状の重さには個体差がありますが、1~2日で回復することは少ないです。

大晦日や三が日に重症化してしまったら大変です。

動物病院によっては閉まっており、救急病院に行かなければならないということもあるでしょう。

多くの動物病院が休みということで患者さんが集中してしまうので、年末年始の救急病院は混みます。おまけに診療費が高いです。

食事やストレスには気をつけましょう。

血尿、膀胱炎

血尿もわりと見かけます。

来客があった後、飼い主さんが長時間留守にした後などは血尿が増えます。

犬でもありますが、特に猫で膀胱炎を起こしてしまう子がよくいます。

冬はただでさえ泌尿器トラブルが多いです。

先日もお話したばかりの話題ですね。↓
犬猫が頻繁にトイレで排尿姿勢をとるのに尿が出ていない。何の病気?

ストレスが原因となると避けるのが難しいこともあります。

特に猫は繊細な性格の子が多いと感じます。

ちょっとした変化がきっかけで血尿をしてしまう子がいます。

膀胱炎であれば命の危険はないかもしれませんが、中には尿道閉塞を起こしていることがあり、こちらは緊急性が高いです。放置すると死んでしまいます。

膀胱炎と尿道閉塞は頻尿(排尿姿勢をとるが尿が出てないように見えることも)や血尿といった症状が現れます。

どちらも似たような症状なので、特に初期の段階で症状だけを見て見分けるのは困難です。

膀胱炎の場合は残尿感から頻尿になり、膀胱に尿が貯留しません。

ですので膀胱に尿が貯留しているかどうかを確認し、尿道閉塞があるか確認が必要です。

特にオス猫は尿道が閉塞しやすいです。

年末年始で近くの動物病院が閉まっている場合でも、もし尿が出せていない可能性があるなら救急病院へ行くことをおすすめします。

避けられないこともあると思いますが、なるべく注意していただき、楽しい年末年始になることを願っています。

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