健康診断のすすめ

その他

急に寒くなってきましたね。気温差が激しくて体調を崩しそうです。皆様もお気を付けください。

さて、本日の話題はタイトルの通り健康診断についてです。

動物病院へ健康診断に来る方は結構多いです。

健康診断に来る頻度としては、1年に1回という方が多いです。

犬も猫も1歳を過ぎたら1年に1回、さらに高齢になってきたら年に2回など頻度を増やしていくのがおすすめです。

健康診断と一言で言っても、様々な内容があります。

・視診、触診、聴診

・血液検査(生化学、血球、フィラリア、エイズ白血病、甲状腺、心臓マーカーなどなど)

・レントゲン検査

・超音波検査

・糞便検査

・尿検査

・心電図検査 etc…

健康診断と言えばたいてい視診、聴診、触診、体重測定などは基本実施すると思います。

その次の段階として、血液検査、特に血液生化学検査(肝臓、腎臓、血糖値、タンパク、膵臓、中性脂肪の数値などなど)は毎年実施するのがおすすめです。

さらに採血すなら一緒に血球検査(赤血球や白血球の数、貧血・脱水の程度などがわかります)や他に気になる症状に合わせて血液で調べらるれ項目を追加するのがおすすめです。

ちなみに、実際のところどれくらいの子が血液検査でひっかかるのかと言えば、若い子はあまりひっかかりません。

若いというとだいたい3歳くらいまでならほぼひっかからない印象です。

ですが稀に若くても数値が基準値を超えていることがあります。

基準値内であっても毎年少しずつ数値が上がってきているなんてこともあるので、前年の健康診断結果と比較して見てみるのも大事だと思います。

逆にシニアになると何かしらひっかかる子が多いです。

肝臓、腎臓、中性脂肪などなど。

全く引っかからない子の方が少ない印象があります。

レントゲン検査も毎年でなくてもおすすめです。

若いうちからレントゲンを撮っておくと、後々体調を崩してレントゲンを撮影した時に比較することができるので、若くても1回くらいは検査を受けておくといいのではないかと思います。

それに若くてもレントゲン検査では何かと問題が見つかることがあります。

例えば、毎日しっかり便が出ているにもかかわらず便秘気味なことが判明したり、尿石が見つかったり、骨の異常が見つかったり、異物を食べているのが見つかることもあります

シニアになってくると様々な病気が出てくるので、心臓、腎臓、肝臓の大きさや形をみたり、腹腔内に腫瘤が写り込んでないか、肺に影が無いか、未去勢のオスの場合は前立腺が大きくないかなどなど、レントゲン検査はとても有用な検査だと思います。

消化管の内容物が邪魔して臓器の陰影がはっきり見えなかったり、瘦せすぎて皮下脂肪が少ないと臓器の区別ができなかったりすることもあり、万能ではありませんが、シニアになってきたら毎年検査することをおすすめしたいです。

健康診断をきっかけに病気が見つかることも珍しくはないですが、その逆もあります。

毎年健康診断を受けていて異常が無いと言われていても、突然病気が出てくることもあります。

「毎年健康診断を受けていたのにわからなかったのか?」と言われることもありますが、例えば悪性腫瘍などは突然出てきたりして健康診断では発見できないこともあります。

悪性腫瘍以外でも突然発症する病気はたくさんあります。

少し前に健康診断をして問題が無くても、体調を崩して検査してみると急に肝臓の数値が跳ね上がっているなんてこともあったりします。

体調を崩した場合、最近健康診断を受けたばかりで問題なかったから大丈夫だろうと安易に考えず、動物病院を受診するようにしてくださいね。

健康診断の内容はその子に合わせて考えるのがいいと思いますので、かかりつけの動物病院で相談してみてください。

健康診断を受ける場合は最低でも8時間、できれば12時間絶食をして動物病院へ行くことをおすすめします。

基本的に絶飲の必要はありません。

朝食を抜いて午前中に受診するのがおすすめです。

時々「うちの子は朝食を早朝から催促してきて与えないでいるのは難しい」と言われることがあります。

その場合は早朝に朝食を与え、日中はおやつや昼食などは一切与えないようにして夕方遅めに受診するのがいいと思います。

ご飯やおやつを食べてしまうと、血液検査で中性脂肪の値が高く出てしまったり、腎臓の数値が高く出てしまうなどで、「後日再検査しましょう」となってしまうかもしれないです。

レントゲン検査では胃腸にご飯が入って拡張していることで他の臓器を隠してしまったり、拡張した胃によって横隔膜が押され、肺野が狭くなってしまって見えにくくなってしまうことがあります。

動物病院が大好きな子であればまだしも、たいていの子は動物病院に行くのが嫌いですし、再検査だとお金も余計にかかってしまい、良いことがありません。

それでもどうしても絶食が無理だという場合は、ご飯を食べていること(食後何時間経っているか)を獣医師に伝えましょう。

糞便検査尿検査は飼い主さんが検体を採取さえできれば本人に負担をかけずにできる検査ですのでおすすめです。金額もそんなに高くないと思います。

特に尿検査は毎年受けてほしい検査のひとつです。

尿検査では、尿中にタンパクが出ていないか、見た目が黄色くても血液が含まれていないか、Phに異常は無いか、糖分が出ていないか、比重が高すぎ/低すぎないか、結晶が出ていないかなどがわかります。

尿トラブルを起こしたことが無い場合でもおすすめしたいですし、尿トラブルを起こしたことがある場合は特に定期的に受けることをおすすめします。

尿や便はなるべく新鮮なものを動物病院へ持って行ってくださいね。

採取してから時間が経っている場合は検査結果が正確ではないことがあります。

健康診断は予約が必要な病院と不要な病院があると思うので、かかりつけの病院に確認してみてください。

私も先日健康診断を受けに行きました。健康診断の日が近づいてくると憂鬱です。嫌いです。怖いです。ふだん動物の採血をしまくっていますが、自分が採血されるのはすごく嫌いです(ー_ー;)

でも「たまには採血される側の気持ちも味わっておかなければ…」などと自分を励ましながら受けに行ってます。

ぜひ、お家の犬猫たちの健康診断をしてみませんか?

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