やってみよう!お家でできる犬猫の健康チェック①~体重測定~

体重計に前足をかけている犬 病気

ふだん犬猫の診察をしている中でとても大事な体のチェック項目があります。

それは最も基本的な情報の一つであり、大した技術などは必要なく簡単に測定できます。

簡単に得られる情報にも関わらず、動物の体調の良し悪しをよく反映し、病気の場合は予後を予想するのに役立つ重要な指標です。

もうタイトルにも出ているのでおわかりだと思いますが、その重要項目というのは「体重」です!

一般家庭でも体重計さえあれば測定できますので、愛犬・愛猫の体調を管理する上で測らない手はないと思います。

とてもシンプルなことですが、体調不良で来院する子たちの体重の変化をみることで、詳しい検査をする前からその子の体の中で起きていることの重大さをなんとなく感じ取れることがあります。

例えば5kgをずっとキープしていた子がある時4.5kgになっていたら、何かおかしいかもしれないと疑います。

フードの変更、ダイエット、運動量の増加など、何か体重が減るようなことを行っているか飼い主さんに確認を取ります。

人から見ると500gの差なんて大した事ないかもしれません。

ですが、5kgの子にとっての500gは体重の10%に当たり、すごく大きいです。

ダイエットしていないのに50㎏の人が45㎏になってしまったと想像するとわかりやすいでしょうか?

実際にふだん診察をしていると、もっと体重が減っている子に遭遇することがあり、体重の減少から大病を発見することもあります。

極端な話、10㎏だった犬が7㎏になっているとか。

異常に体重が減っている場合は何か病気が隠れている可能性が高いと思います。

体重の減少が激しかったり、急激に減り続ける場合は予後が悪いことも多いです。

慢性疾患で定期的に通院している場合でも、ずっと同じくらいで体重をキープしていたのに、徐々に体重が減り始めたときには注意が必要です。

その後数か月のうちに亡くなってしまうことがあります。

中にはこんなパターンもあります。

食欲があまり無く、体重の減少が続いていた時に、急に体重が増え始めたというケース。

体重増加の原因は腹水だったりします。

腹水の貯留が見られる場合はだいぶ体調が悪いと思います。

あまり予後が良くないことが多いです。

過去の体重と比較できないと体重が減ったかどうかわからないので、大事なのは定期的に測定して記録しておくことです。

頻繁に測定するのは面倒かもしれませんが、月に1回でも測定しておくと良いかもしれません。

動物が大人しく体重計の上でじっとしてくれる場合はそのまま測定してもいいと思いますが、たいていの子はすぐに体重計から降りてしまったり、そもそも体重計に四肢が乗り切らないことも多いと思います。

その場合は抱っこして体重計に乗って、以下のように動物の体重を計算するといいですよ↓

◆おすすめの体重測定方法◆
飼い主さんの体重を測定…①
動物を抱っこした状態で一緒に体重を測定…②
②ー①=動物の体重

定期的に体重を測定し、しっかり食事を摂っているのに体重の減少が続くときは一度動物病院で診察を受けてみることをおすすめします。

さらに、体重測定によって体重が増えすぎていないか肥満を監視するのもいいと思います。

肥満は様々な病気に繋がります。

ふだん毎日一緒にいると体形の変化にはすぐに気が付きません。

抱っこした時もちょっとの変化では気が付かないと思います。

見た目や抱っこした時の感覚で体重の変化に気づく時はすでに大きく変わっていたりします。

定期的に体重を測定しておくことで病気の発見や予防に繋がることがあるので、ぜひお家で体重を測ってみてくださいね。

ペット用の体重計もありますが、人用の体重計でもOKです。

ペット用の体重計の利点は人間用よりも細かい数字が出てくることです。10g単位とか。

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